【海岸清掃 参加者対象】美しい海岸と海の恵みを守る海岸清掃活動

【海岸清掃 参加者対象】美しい海岸と海の恵みを守る海岸清掃活動

焼尻島の海岸で清掃活動を行う理由

焼尻島は、北海道の日本海側に位置する自然豊かな島です。美しい海に囲まれ、島内に森林が広がり、貴重な自然と人々の暮らしが共存しています。しかし、海岸には季節を問わずゴミが流れ着きます。

島の暮らしは自然と密接につながっており、豊かな森林が島の生活用水を支え、かつては植林事業を通じて森を守ってきました。こうした自然と共にある暮らしの中で、島民は環境保全の大切さを肌で感じていますが、人口約135人の島では、島内のみで行う地域の環境保全活動に限界があり、地域の人手だけでは十分な活動が難しくなっています。

そのため、昨年から島外ボランティアを募集し、海岸清掃を実施しています。美しい海岸と海の恵みを守る清掃活動を行いたいと思います。

白浜海岸の漂着ゴミ

海岸清掃活動にご参加いただく皆さまへ

島に暮らす人々にとっては、森と海のつながりや自然の循環、その大切さは、特別な知識ではなく、日々の暮らしの中で自然に感じていることです。

今回の海岸清掃は、「ボランティア」や「ゴミ拾い」ではなく、小さな地域と外部の人々がつながり、新たな持続可能性を生み出すための一歩です。

島の海岸は、散策や浜遊びで自然に触れることができる貴重な場所ですが、その他に、岩海苔、ふのり、銀杏草、わかめ、もずくなど、海の恵みの海藻を採ることができる大切な漁場でもあります。

今回の海岸清掃は、景観の保全だけでなく、島の暮らしと深く結びつく“海の恵み”を守ることにもつながります。

焼尻島の海の恵みを通して、水資源の保全と人々の暮らしなどを考えるきっかけとなり社会的な環境保全活動につながれば幸いです。

焼尻島の冬、厳しさと向き合う「海藻採り」の現場

焼尻島の海藻採りは、主に2月から3月にかけて行われます。この時期、島の冬は厳しく、強風と荒波が続くため、実際に作業できる日はごく限られています。漁師たちは海の様子を見ながら、タイミングを慎重に判断し、風の止んだ凪(なぎ)の日を狙って海岸に出ます。

時化た日の海岸

冬の海岸に広がる海の恵みの海藻

2月頃から10回ほど、天候や海の状態を見ながら海藻採りが行われます。海岸の岩場に生える海藻を一つひとつ手摘みで採取します。冬の焼尻島は強風と荒波が厳しく、採れる日は限られます。その中で漁師たちは、冷たい海水に浸かりながら作業を行っています。

採取場所は島の岩礁帯で、海岸から少し入った場所まで歩いて向かいます。作業中は防寒用の合羽や手袋、長靴を着用し、海水に浸かりながら海藻を手摘みします。岩にしっかりと張り付いた海藻を、素手や小さな道具を使って丁寧に剥がし、網袋に集めていきます。作業は体力も気力も必要で、水温の低さがさらに負担を大きくします。

海から戻ったあとは、陸に上がってすぐに洗い作業に入ります。海藻には細かい砂や小石、貝殻などが混ざっているため、何度も水を替えながら手で一つ一つ丁寧に洗い落とします。この洗浄作業が甘いと商品にならないため、時間をかけて念入りに行います。

洗浄後は、干し作業に移ります。海藻を広げ、完全に水分を抜きます。乾燥が終わると、袋詰めや選別、計量といった出荷前の作業を行い、ようやく製品として仕上がります。

このように、焼尻島の海藻採りは、海での採取から陸での洗い・干し・仕上げまで、多くの手間と時間をかけて丁寧に行われています。

焼尻島では、昔からこの方法で海藻を採ってきましたが、近年は海藻の茂りが少なくなり、今年の冬は、銀杏草が僅かしか採れませんでした。さらに、作業に携わる人もごくわずかとなっています。

島の水産物を皆さんに知ってもらうために

当日は、海岸清掃のあとに交流会を行い、焼尻島産の海藻を使った味噌汁を提供する予定です。
実際に海藻採りを行っている漁業者の方から、昔と今の移り変わりや作業にかかるたいへんなお話しなど、少しの時間ですがお話しいただく予定です。※5分程度

今、海藻を採っている人は、ほんの数人だけです。かつては多くの人が関わっていたこの仕事も、少しずつ続けるのが難しくなってきています。